★自分の「キャラ化」。【vol.47】

「お金ないし」/ ユニクロデニム / 銀二貫…で気づいたこと。
近藤あゆみ 2026.06.03
誰でも

このあいだ山手通りを歩きながら、夫に「だってお金ないしさ〜!」と自嘲気味に言ったあと、最近私これ言いすぎてないか…?と気づいてふと真顔になった。

いろんな出費が重なって金欠なのは事実だ。でも、言う回数が多いのはどうなんだろ。何というか、言い続けることで「キャラ化」していくんじゃなかろうか…と急に思ったのだ。

どんどん詳細かつ太字に

「言霊」「引き寄せの法則」「願いは口に出せ」「起こって欲しくないことは口に出すな」などなどは世間でさんざん言い尽くされてきたことだけど、多分これに関しては「発声することで不思議な力がはたらいて天に念が通じる」…なんてスピリチュアルなことではないんだろうな。

「自分はこうなので」を口に出して人に伝えてると、「わたし」のキャラ設定がどんどん固まってくるのだ。

私ってこういう性格なんで。私ってこういう人間なんで。いつもこうなりがちなんですよ。自らそう口に出すたびに、自分の中の「キャラ設定表」にどんどん細かな書き込みが増え、キャラクターの輪郭がはっきりしてくる。私の場合、最近この表に「しかし金がない」「最近いちじるしく太り気味」みたいな書き込みが何度もされ、トレースするたびその字はどんどん太くなってる。

そうすると、何かが私の方に引き寄せられて来るんじゃなくて、自分自身で無意識のうちに、そのキャラ(例えば「金ないキャラ」など)にぴったりな考え方や行動をなぞり始めるんじゃないだろうか。

2サイズ下のデニム

先日ユニクロでデニムを山ほど試着した。去年買ったものがちょっとゆるくて、シルエットが格好悪くなっていたから。
どんどん試着していくうちに謎のエンジンがかかり始め、気づいたら去年買ったものより2サイズ下のデニムをはいていた。驚くことに、はけたのである。

これは劇的にヤセたということじゃない。だって体重も見た目も変わってない。
ただ、太って昔のデニムが何もかも入らないと悟ったある時点から「私はもうこのサイズしか入らないのだ」と決めてしまったのだ。

昔は、はくことでスタイルを良く見せるデニムしか絶対にはかなかった。「デニムは修業。ラクとかゆるシルエットとか、私のデニム辞書(何それ)には無い!」が信条だった。でもそれがどだい無理になった途端、私はキャラ設定を一気に書き替えてしまったのだ。

でもみなさんご存知の通りぜい肉はふにゃふにゃ柔らかいので、デニムの中にうまいこと入れ込むことができたりする。今回は、「いけるかも、試してみよう」と思ってやった。だから2サイズ下をはけた。ただそれだけなのだ。
(この話は別に「頑張れば細い服を着れるよ」という話じゃないので、そのあたりにフォーカスしないでね)

自分が「こういうキャラである」と決めてしまったら、本当に無意識にそれに合う言動をするようになるのでは?という話である。

丁稚の姿勢

NHKBSで再放送していた「銀二貫」という時代劇を観た。林遣都演じる武家の一人息子が天涯孤独になり、商家に引き取られ丁稚として暮らし始める。丁稚としての言葉づかいやふるまいを教え込まれるのだが、その中で驚いたのが、しじゅう姿勢を注意されることだ。

彼は番頭さんや同輩に「背筋!」って言われ続けるんだけど、姿勢が悪いから怒られてるんじゃないの。その逆なの。武士として身についた、ぴんとした姿勢の良さを注意されるのよ。

丁稚は(というか商人は)いつだって背を丸め、腰をかがめて平身低頭でいろ、ということなんだね。まさかの物理的「腰の低さ」が求められる!

これってかなり「キャラ化」だなーと思った。心得や精神論より何より、まず姿勢とか体つきをそれっぽくにすることで、精神もその枠に合ったかたちになっていく。こういうのって現代なら「身体によさそうな方向」に頑張るものじゃん?でもこうやって逆のこともできるよね。こわっ…と思う。

さて、何を書き込む?

しかもあれだ、自分で自分を評する時って、たいていマイナス面を口にすることの方が多いよね。「私、失敗しないので」とか口にできる人って大門未知子くらいしかいないし。

いつもポジティブでいようとか自己肯定感を高めようとかってなかなか難しいし無理があるけど、自分を「本当はあまり望んでない方向」に進んでキャラ化するのを抑える、くらいのことはできるかもしれない。口ぐせのように言わないぞ、とかね。

ネットかどこかで「いまあまり稼げてなくても、大金を稼いでいるかのようにふるまいなさい」というのを読んで「そんなんできるかーい!私そんなことしたら2秒で100万円使ってしまうわ!」と思った。でもその人が言いたかったのは、ほんとはキャラ化のことだったのかもしれないな。

ではまたね!

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