★沖縄のお初スポット。【vol.3】

完全にクルマ社会の沖縄だけど、やっぱり街を歩くに限る。
近藤あゆみ 2023.12.22
誰でも

こんちはッ!仕事がおさまる気がしねえ私ですが皆さんはいかがですか?

12月の第二週は毎年恒例の沖縄旅だったのですが、ちょっと珍しい場所を見つけたので今回はその話をします。(とっくにご存知だったらすんません…)

突然現れた異国

沖縄最終日の。レンタカーを返すまであと1時間半という中途半端な時間に、久茂地に車を駐めた我々。さあどうする?国際通りはあまり好みじゃないので、「久しぶりに波の上宮でも行くか」と、松山通りを海方向へてくてく歩き出しました。

すると、那覇商業高校を過ぎたあたりで左手に長く続く塀が。デザインがどう見ても異国風です。塀の向こうには中国の塔のようなものが見えます。えっ何ここ!?

地図を見ると「福州園」とある。間もなく獅子が守る中華風の立派な門が見え、入場料200円の表示が。やすっ。入ってみよう。

街中にとつぜん出現

街中にとつぜん出現


そしたらアナタ、中は別世界。見事な中国の庭園だったのですよ。

六角形の塔、ゆるやかなカーブを描く門、錦鯉が泳ぐ池、美しいお堂、四神の石像、竹林、十二支や七福神がのっている橋の欄干、ちょっとした滝まであるじゃないですか。

我々は「うわー!」と言いながら写真を撮りまくりました。初日に識名園に行った時も思ったんだけど、鑑賞を念頭に置いた庭園というのは、どこからパシャリとやっても絵になるように作られてるんですね。すげー。

敷地自体は広くはないけどうまーく設計してあって、うねうねと結構な距離を歩くことができ、そのたびに景色が変わるので飽きません。(ちょっと目線を上げるとマンションがあったりして現実には返りますが…)

「それは月を指差すようなものだ」
……途端にひとり「燃えよドラゴン」の冒頭を再現しはじめるブルース・リーマニアのおれ。少林寺の高僧と会話したり(ディレクターズカット版)、少年にかの有名な「Don’t think. Feel.」を言うシーンね。だってぴったりなロケーションなんだもん。

民草に手を振る良き治政者のイメージで。間違ってもハンじゃないよ!(ハン…「燃えドラ」の悪役)

民草に手を振る良き治政者のイメージで。間違ってもハンじゃないよ!(ハン…「燃えドラ」の悪役)


調べてみると、那覇市と福建省福州市は友好都市。「その締結10周年と那覇市市制70周年を記念して1992年に開園」とHPにありました。
14世紀、琉球王国は貿易で大いに栄えたんだけど、その繁栄を支えたのが福建省から移住してきた久米村(クニンダ)の人々だそう。この福州園のアドレスは「那覇市久米」。まさにクニンダの民がいたことからついた地名なんだなー。

最後のおどろき

庭内をぐるりとめぐり、そろそろおしまいかな?と思ったその時。ごつごつした石段の向こうに…建物がある?
登ってみるとパッと視界が開けて、突如としてガラス張りのカフェが出現。これまでどっぷり昔の中国に浸っていたのでそのギャップにびっくり。入ってみるとこれまた内装が素敵でな…。

こちらは「福州園GARDEN」というカフェレストラン。庭園から入れたのはお店の二階で、逆側の一階からも入れる。ちなみにこのお店から入ったら、庭園の入場料は無料なんだってさ。

逆側は公園になっていて、久米至聖廟というのがありました。「琉球王国時代に公費で建立された孔子(儒学の祖)の功績を称えるための廟」だそうです。
こういうところ、やはり大陸の文化を色濃く受け継いでいるんだなあと感じます。

沖縄の世界遺産は物見遊山気分で巡っていますが、阿麻和利や護佐丸などの名前を知って琉球の歴史をかいま見ると、いわゆる「日本史」では教わってこなかった独自の歴史と文化に対して自分が完全に無知であることにいつもガーンとなります。

さらにそういう独自性を持った沖縄に対し、ずーっと「日本の都合」を押しつけてきた(今も押しつけ続けている)「ヤマト」って、つまり私たちって、いったい何だ…とモヤモヤします。

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これまで15年以上、毎年沖縄本島に行ってたのに全く知らなかった福州園。最近ガイドブック見てないけど、載ってなくないですか…?
沖縄に行ったらぜひ立ち寄ってみてください。夜はライトアップされるそうなのでそれも良さそうね。

(ちなみに先ほど検索してみたら、コスプレイヤーの皆さんの間では撮影スポットとして有名らしいよ!)

ではまた来週!

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