★身体に刻まれたスイッチオン。【vol.9】
何度でも繰り返す動作
洗面所の照明スイッチが壊れた。
なかなか押せないし、押せたと思ったら引っ込んで元に戻らない。管理会社には連絡したけど、業者さんが修理に来てくれるまでまだ日数がかかりそう。こうなった時はいつも分解して中の直接スイッチ(?)をON-OFFするんだけど、どうやら中の基盤自体がイカれてしまったようだ。幸い洗面所にはもう1つ照明があるのでそちらを点ければ当分困ることはない。
「明かりが消えなくなったら困るので、ここのスイッチは触らないように」
そう夫に伝えた。つい触ってしまわないよう、ちょうどスイッチを覆うくらいの小箱のフタを上から貼りつけた。
そうしてみて、驚いたことがある。
必ず触ってしまうのだ。当のわたしが。
洗面所には日に何度も出入りする。そのたびに確実にスイッチに手をやってしまう。確率は100%だ。カバー代わりにしたフタを無意識に押し込もうとする自分の手の圧に気づくたび「あっ」となる。またやってしまった。フタしといてよかった。次はやらないぞ。そう思って洗面所を出る。
でも1分もたたないうちにまた同じことをやってしまう。
いくら何でも瞬時に忘れすぎたろ!と自分の認知機能に不安を覚えたのだけど、何度も何度もそれを繰り返すたびに、やっと気づいた。
頭じゃないや。身体に刻まれちゃってるんだこれ。
きっと他にもある、こういうの
洗面所に一歩足を踏み入れる。その一歩と同時に片手がスイッチに伸びる。その2つの動作が完全にセットになってる。何なら一歩の前に手が先に出てる。だから明かりがつくつかないに関わらず、そう簡単には動きが分離できないってことだ。
面白いなーと思った。洗面所に入るぞ→暗い→電気をつけよう。もちろんそんなにゆっくり段階を踏んではいないけど、それぞれが別の思考にもとづく行動だと思っていたので、ここまで分かちがたいレベルでセットになってるとは思わなかった。
この話には特にオチがない。私はスイッチが直るまで毎日何度でも手を伸ばし続け、毎回「あっ」となるだろう。
そこからふと思った。「こういうの、気づいてないだけで日常生活で他にもたくさんありそうだな」と。今回はこうして片方の動作だけNGになったから気づいたけど、まだまだ「セットになってる動作」というのはあるんだろう。
ありそうなのは「感情とのセット」かもしれない。あれを見たら自動的にこう考えてしまう。こう動いたら自動的にこういう感情がわく。そんなふうなやつ。
いわゆる偏見や先入観だったり自己肯定感(の低さ)なんかも、そうやって視覚や動作にべったりくっついて取れないものなんだろう。私の洗面所スイッチと同じようなセットだとすると、引き離して片方だけなくすのは至難のわざだ。無意識を有意識に変える。その後それとこれを切り離す。大変だ…。でも動作+動作のセットよりはもう少し何とかできるはず、だろう。
押してもしょうがない、壊れたスイッチをただのクセで延々触り続けるのって、人生の無駄づかいかもしれないからね。
今週の衝撃
新所沢PARCO + Let'sが2月29日で40年の歴史に幕を閉じたそうです。最終日駆けつければよかった。すべてが終わった後でそのことを知りました…。
新所沢にPARCO + Let'sができたとき、所沢には西武百貨店(ワルツ)すらできておらず、近隣ではいちばんオシャレな商業施設だったのです。西武線在住ティーンだった私にとって、アーチを描くあのエントランス(リンク先の画像で見てみて!)をくぐった先は、本当にわくわくキラキラした場所でした。Let'sの上の方のフロアに結構とんがってて珍しい雑貨が並んでいて、そのエリアがすごーく好きだったことを覚えてます。映画を観るのもLet'sシネパークだったし。そういう思い出の商業施設がなくなるの、さみしいね。
ではまたね!
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