★髪型ひとつ。【vol.22】

いきなり寒くなっている…でも私は極力半袖で通せる日は通したい。11月になっても「街中で俺だけ半袖」選手権を海外から来た半袖アニキと繰り広げたい。
近藤あゆみ 2024.11.01
誰でも

本を読んでいると、文章をたどるそばから次々と思いがわいてくるのに、いざPCに向かうと言いたかったことは雲散霧消してしまう。何でや。たぶん(というか間違いなく)ちょっとだけ…と見たSNSのせい。あすこに立ち寄ってはいけない。あすこは高分子吸収体のように「わたし」を吸い取ってしまう。

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きのう、何年ぶりかの某美容院に行った。私は何軒かの美容院を手中におさめていて(誤った用法)、ニュアンスや気分で数ヶ月ごとに変えたりする。シャープなスタイルならここ。「一秒たりとも我慢できない!明日髪型変えたい!」ならここ、というふうに。

あとこれは以前ブログでも書いたけど、長く同じ人にやってもらっているとマンネリになるというか、お互いの願望と手の内が分かりすぎて新しい雰囲気にならなくなる時期がくるのだ。それを感じると、次は別の店に行く。
とはいえどこでもいいわけではないので、カットがうまく、タイプの違う美容師さんを3人ほど抱えている(誤った用法)。

いつも思うのだ。美容師のようにパートナーもタイプの違う3人を同時に抱えておけたらいいのにな。何もかもを1人に負わせるのは無理がある。

というわけで昨日は数年ぶりのJさんだった。パーマが取れかけ、伸びに伸びた髪をどうにか新しい感じにするためにお願いした。
私の「なんかもうコントロールできなくて!」という訴えを根気よく聞き、「それはつまりこういうことですね」ときれいに言語化してくれてさすがであった。

ただ、私とJさんでは「ウルフヘア」の認識が少し違っていたのだ。それに気付いたのはハサミが入ってからだった。

私はインスタでウルフ周り(ウルフ周り?)の画像を見すぎていたため、昨今の「あれもこれもウルフだよ!」の空気に取り込まれていた。少し前なら「これは単なる顔周りにシャギー入れたセミロングだろ」というものまで「ウルフヘア」とカテゴライズされているので、その範囲の広さに慣れてしまっていた。

しかしJさんはきっちり今どきの「ウルフ」を私のカットに落とし込んだ。
私の「なんとなくウルフ」のラインとは違っていたので、「み、短けえな…?」と思ったが時すでに遅し。

トータルでいうと私に似合ってるしかっこよく個性的に仕上がっているのでさすがである。

でも、数ヶ月伸ばしっぱなしだった髪を持つ私の内心に湧き出てきた「ここまで伸びたらちょっと女っぽくセクシーな印象も欲しいな…」という下心が反映されていないのだ。そりゃそうだ、言ってないんだもん。
この(切る前の)長さでウルフとオーダーすればそんな感じになると思ってたけど…甘かった!

私が基本的に求めている

・かっこいい方面
・個性強めで何やってるか分かんない人
・年齢でカテゴライズされにくい

というポイントと、久しぶりに狙いたかった

・分かりやすい女っぽさ
・一般(異性)ウケのよさ

というポイントは、両立が難しいものだなあ。(詠嘆)

そして「単語ひとつとっても個々の認識や捉え方が違うのだから、いちいち細かく伝えるのをサボッてはいけない」ということを痛感した。

まったく同じ言葉のもとで動いているのに実際はそういう齟齬があって、それぞれがそれぞれの定義を正しいと思っていて、でも手を取り合って歩いている…というようなこと、世の中にはたくさんあるんだろうな。

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最近同時並行で読んでいる本。初めてのハン・ガンは読みやすそうなものを。ピエール・ルメートルは何度めかの再読。「その女アレックス」から「死のドレスを花婿に」ときて「悲しみのイレーヌ」をたどるコース。ルメートルの小説に出てくる女は揃いも揃って度を超した酷い目に遭うので、作者の人格すら疑いそうになる。岸本さんの文章には狂気が漂ってて面白い。

とりとめがない回でした!ではまた!

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